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※VTハルター・マリーン VT Halter Marineは、フライド・ゴールデン・ハルター Friede Goldman Halterの倒産後、シンガポール最大の防衛関連企業であるSTエンジニアリング ST Engineeringの100%子会社として、残る6つのHalter造船所の親会社としてVTハルター・マリーン社(VTHM)を設立。新会社は、ハルターのガルフポート Gulfport、ロックポート Lockport、ポート・ビエンヴィル Port Bienvilleの造船所を売却し、本社をガルフポートからパスカグーラ Pascagoulaに移転した。パスカグーラの造船所はこちら、モス・ポイント造船所 Moss Point yardはこちら、エスカトーパ Escatawpa(モス・ポイント・マリーン Moss Point Marine)の造船所はこちらで、Googleで航空写真を見ることができる。社名から入れるリンク先の表はVTHMが引き継いだときからのプロジェクトをカヴァーしている:船体番号はハルター・マリーン Halter Marineが始めたシリーズを継続してる。3つの個々の造船所のVTHM以前の建造記録を見るには、パスカグーラモス・ポイントモス・ポイント・マリーン Moss Point Marineにアクセスすること。ちなみに、VTHMは2016年にパスカグーラ・ヤード Pascagoula yardの南端にパナマックス浮き乾ドック Panamax floating dry dockを新設し、船舶修理事業に進出している。また、2017年には、バイユー・コソット Bayou Cosotteの西側にあった旧FGOパスカグーラ・ヤード FGO Pascagoulaを買収し、リグ市場に進出
2022年11月6日発表によると沿岸警備隊の新クラスの砕氷船を建造する契約を獲得したミシシッピ州の造船所は、ルイジアナ州の造船グループに買収されることになった。ボリンジャー・シップヤーズ Bollinger Shipyardsは、親会社のSTエンジニアリング・ノース・アメリカ ST Engineering North Americaからハルター・マリーンと隣接するSTエンジニアリング・ノース・アメリカ・ハルター・マリーン・オフショア ST Engineering Halter Marine Offshoreを$15,000,000で買収することに同意。ボリンジャー造船所の買収により、同社の新造船と修理のポートフォリオが拡大する。ボリンジャー社の発表によると、この買収により、沿岸警備隊向けの極地警備カッター(Polar Security Cutter: PSC)計画や海軍向けの宿泊船(小型)(APL(S))計画等、現在進行中の全ての計画が引き継がれることになる。新たに買収した造船所は、Bollinger Mississippi ShipbuildingとBollinger Mississippi Repairに改名される。慣習的な完了条件を待ち、取引は2022年の第4四半期に完了する予定。この取引の下で、ボリンジャーは、ハルター・マリーンとSTEHMOの造船所に対して最初に$15,000,000を支払い、ハルター・マリーンの将来の造船契約の獲得と現在の契約が一定の予測利益率を満たすまで、さらに$10,250,000を支払うことに同意したと、ボリンジャー広報担当者は2022年11月6日の夜にUSNI Newsに語った
ミシシッピ州の造船所が、正式に所有者を変更したと、ボリンジャーが2022年11月14日に発表した。この買収には、パスカグーラの2つの造船所とパスカグーラ北部の2つの休眠造船所からなる378エーカーの土地が含まれている。新たに取得した造船所はBollinger Mississippi ShipbuildingとBollinger Mississippi Repairに改名
Military.comは、ProPublicaが最初に公開した記事で、新しいストリス(旧アイヴィック)の買収に疑問を呈し、同船の調達とアンカレッジを母港とする決定に不当な影響があったことを示唆している。沿岸警備隊は契約の授与において自由裁量権を持っていると考えたいところだが、もちろん、それは完全に真実ではない。このことと、極地警備船(Polar Security Cutter: PSC)プログラムでの長い困難の歴史を考えると、実績のある設計に基づくというRFP要件を満たしていない設計に対して、比較的経験の浅いハルター・マリーン社に契約を授与するという決定について疑問に思わざるを得ない。2017年2月、沿岸警備隊は、ボリンジャー造船所、イタリアのフィンカンティエーリ・マリーン・グループ Fincantieri Marine Group、ナショナル・スチール&シップビルディング社 National Steel and Shipbuilding Company、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ、シンガポールのハルター・マリーン社に、極地用大型砕氷船の設計調査に関する5件の固定価格契約を授与した。2019年4月23日、ハルター・マリーン社は、リード・シップの詳細設計と建造に関する$745,900,000の契約を獲得。これはおそらく最低入札額だったろうが、非現実的なほど低い入札額であることが判明。5社の候補のうち、ハルター・マリン社は最も経験が少なく、海軍と沿岸警備隊に最も馴染みがなかった。ハルター・マリンは1983年、1996年、1999年、2003年、2022年に所有者が変わっており、安定した経営とは言えず、この提案では経験豊富な砕氷船建造業者と提携していなかった。受注当時、ハルター・マリンは米海軍向けに2隻の船を建造していたが、沿岸警備隊向けには1隻も建造していなかった。海軍向けの2隻は、ミサイル実験支援艦ハワード O. ローレンツェン Howard O. Lorenzen(T-AGM-25)測量艦マウリー Maury(T-AGS-66)だった。 海軍がハワード O. ローレンツェンの建造で経験したことは、警戒すべき事態を引き起こしたかもしれない。Defense News のクリス・カヴァス Chris Cavas氏は次のように報告してる。“2006年に締結された当初の$199,000,000の契約に基づいて建造されたこの新しい船は、2008年8月からVTハルターの造船所で建造されており、2010年6月に納入が予定されていました。設計は、1980年代半ばに建造された2隻の海軍調査船に基づいています。”“海軍の検査調査委員会(Board of Inspection and Survey: INSURV)は、5月9日の週にメキシコ湾でローレンツェンの受入試験を実施しました...”“試験はINSURVによって「不合格」と報告されました...不合格となったのは、推力軸受の温度、および操舵とアンカーのデモンストレーションという3つの大きな矛盾が原​​因でした。評価された15の領域のうち3つ(電気、損傷制御​​、航空)も不合格と評価されました。”“INSURV は、システムが「完全に再デモンストレーションできる」まで受入を行わないよう勧告しました。”“…近年、モス・ポイント造船所 Moss Point yardで米国政府顧客向けに建造中の船舶数隻で問題が浮上している。”“昨年秋、VTハルター社が数隻の漁業調査船を建造した米国海洋大気局(National Oceanographic and Atmospheric Administration: NOAA)は、完成間近だった新しい調査船の完成を突然中止した。重量超過で沿岸地図作成任務を遂行できないと主張した。この船はNOAAに差し押さえられ、完成と改修のため別の場所に移動された。”“2005年、契約紛争により、米陸軍は物流船の完成を中止し、他の2隻の納入を遅らせた。沿岸警備隊も安全記録を調べたかもしれない。”“…2009 年、危険な労働環境が原因で爆発が発生し、従業員2名が死亡、5名が負傷した。同社は、閉鎖空間で故意に労働者を有毒ガスにさらしたことなど、17件の故意違反と11件の重大な違反で、米国労働省から$1320,000の罰金を科された。当時の労働長官ヒルダ L. ソリス Secretary of Labor Hilda L. Solisによると、爆発は“恐ろしい状況であり、予防可能だった。VTハルター・マリンは危険性を認識しており、故意に爆発性で有毒な雰囲気のある密閉空間に作業員を送り込んだ”という。完成していない設計を使用したことで、ハルター・マリンは失格となったはずである。これを背景として、沿岸警備隊は警告サインを見逃したのか、それとも造船所の選択で無視されたのか。これは不当な影響だったのか。最終決定を下したのは誰なのか。沿岸警備隊/海軍調達チーム、司令官、国土安全保障省、それとも他の誰かなのか。そしてその理由は?Chuck Hill's CG Blogより

↑Halter Marine Aug. 5, 2022. USNI News Photo. Image courtesy of USNI news.


Update 25/01/26